オスグッド

こんなお悩みはありませんか?
膝の前面、特に脛骨粗面(膝下の骨が盛り上がった部分)に痛みが集中し、運動時や膝を曲げたり伸ばしたりした時に強くなる
膝下に骨の盛り上がりや腫れが見られ、痛みを伴うことが多く、触れると敏感に感じる
サッカーやランニング、ジャンプなどの運動後に痛みが増す傾向があり、ひどい場合、安静時にも違和感を感じることがある
床に膝をつくと強い痛みを感じる
両膝に症状が出ることもありますが、片方だけに症状が現れることもあります
オスグッドについて知っておくべきこと
オスグッド(オスグッド病)とは「オスグッド・シュラッター病」とも呼ばれます。
成長期である【小学校高学年~高校生のスポーツ選手】に多く見られ、膝のお皿の骨から下に3~4本分の指を横にした位置に痛みと腫れが生じる症状が、片膝または両膝に現れます。
発症は主にバスケットボールやバレーボールなど、【ジャンプ動作の多い競技】を中心に、陸上競技、野球、サッカーなど、さまざまな競技に見られます。
ジャンプ時の痛みが原因でジャンプ力が低下したり、ダッシュ時の痛みでタイムが低下するなど、スポーツ能力の低下に直結しますが、急性外傷(突発的な怪我)ではないため、スポーツ休止の判断が難しく、現場では痛みを抱えながらもスポーツを継続している選手が多く見受けられます。
しかし、無理をすると症状が悪化することもあるため、十分に注意が必要です。
症状の現れ方は?
【成長期特有の疾患】であり、成長期の少年、少女に起こりやすいスポーツ障害の一つです。
骨の成長に筋肉の成長が追い付かず、膝のお皿の下にある脛骨結節(脛骨粗面)が炎症を起こしたり、腱によって引っ張られた軟骨が剥がれてしまうことがあります。
症状としては、【膝の前部や下部に熱感や痛み】を感じることがあります。軟骨が剥がれた場合、【膝の下部に強い痛みを感じ、患部を押すとさらに強い痛み】が生じることがあります。軟骨が剥がれると、脛骨前面に骨の隆起ができ、膝の下部が膨らむこともあります。
スポーツをしている際や、酷くなると日常生活(階段や坂道の上り下り)でも症状が現れることが特徴です。
※膝のお皿の下付近が痛むため【成長期】によるものと勘違いしてしまい、疾患を見逃しやすいです。
その他の原因は?
成長期の子供は、骨の成長に筋肉の成長(柔軟性)が追い付かず、バランスがうまく取れていないことが多いです。その状態でスポーツなどの運動を過度に行うと、大腿四頭筋(太もも)が付着する脛骨粗面部(オスグッドの位置)に負荷がかかります。膝関節の伸展(膝が伸びること)は、大腿四頭筋が膝蓋骨の上端(膝上)に付着し、膝蓋骨(膝)を介して、膝蓋骨の下端(膝下)から膝蓋腱(膝の腱)を経由し脛骨粗面に付着して停止します。この時、大腿四頭筋が収縮して膝関節が伸展します。このように、大腿四頭筋の筋力は最終的には脛骨粗面に伝わっていきます。
そのため、付着部に物理的な衝撃が生じ、軟骨が一部剥がれるなどのトラブルが発生します。成長期の結節部は柔らかいため、刺激がより加わり、熱感や腫れなどの症状を引き起こします。
運動を休止すれば症状は軽減が期待されますが、継続するとさらに悪化し、脛骨粗面部が隆起していくことがあります。
オスグッドを放置するとどうなる?
痛みを我慢して運動をされている方はいらっしゃいませんか。
オスグッドを放置することは禁物であり、早期の施術が大切です。
痛みを我慢して運動を続けていると、長期の運動休止や剥離骨折を引き起こす可能性があり、最悪の場合、外科的な手術が必要になることがあります。
さらに、痛みが治った後でも、成人後に再び痛みが現れる【オスグッド病後遺症】を発症し、手術が必要となる場合もあります。
また、骨の成長を促すために成長ホルモンが重要な役割を果たします。成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、特に成長期に多く分泌されます。しかし、成長ホルモンは1日中分泌されているわけではなく、就寝中や運動をした時に多く分泌されます。
当院の施術方法について
オスグッドの施術は、早期発見・早期施術が回復の鍵となります。
そこで、当院でオススメするメニューは、【鍼施術】・【EMS施術】・【ストレッチ】です。
【鍼施術】は、痛みの軽減だけではなく、炎症の抑制や筋肉の緊張緩和に優れています。痛みのある箇所や関連する筋肉に直接アプローチすることで、血流を促進し、自然治癒力を高めます。
【EMS施術】も鍼施術と同様、痛みの軽減や関連する筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。鍼施術が怖い方には、EMS施術をオススメします。
【ストレッチ】は、次の3つの効果があります。
1つ目は、筋肉の柔軟性向上効果です。オスグッドの主な原因は、大腿四頭筋やハムストリングスの緊張が膝下に過剰な負荷をかけることです。ストレッチを行うことで、これらの筋肉の柔軟性が向上し、膝への負担を軽減することができます。
2つ目は、血行促進と回復の促進効果です。ストレッチは筋肉の血流を改善し、炎症の軽減や組織の修復を助けます。これにより痛みが軽減され、症状の回復が早まる可能性があります。
3つ目は、筋緊張の緩和とバランス改善効果です。過剰に緊張している筋肉をほぐすことで、膝周りの負担を分散させます。また、バランスの取れた筋力や柔軟性を維持することで、再発を予防する効果もあります。
改善していく上でのポイント
オスグッドの施術では、「患部を休めること」が大切です。
ですが、さらに軽減を目指すために以下の方法を実施することが効果的です。
負担を減らす
【運動量の調整】症状がある場合、膝に過剰な負荷をかける運動(ジャンプ、ランニングなど)は一時的に控えます。
【休養を取る】痛みが強い時は、適切な休養を心がけましょう。
ストレッチと柔軟性の向上
【大腿四頭筋・ハムストリングスのストレッチ】膝蓋腱への負担を軽減することができます。
筋力トレーニング
筋力を強化することで膝への負担を分散させます。
※痛みがない範囲で行いましょう。
【体幹トレーニング】体幹を鍛えることで全身のバランスが向上します。
【大腿四頭筋強化】スクワットやレッグプレス(軽い負荷から始める)など。
アイシング
痛みがある場合、運動後や症状が悪化した際に膝を冷やすことで炎症を抑えることができます。
サポーターやアイシングの活用
膝の負担を軽減するためにサポーターやテーピングを使用するのも効果が期待できます。
整骨院や医療機関の受診
症状が強い場合や長引く場合は、専門家に相談し、適切な施術やリハビリを受けることが重要です。
正しい姿勢の習得
運動や日常生活での正しい姿勢を意識することで、膝への負担を軽減することができます。
※無理をして症状を悪化させると、軽減までの時間が長引くことがあります。成長期特有の症状なので、多くの場合、成長が止まると軽減が期待できますが、正しいケアをすることが後遺症を残さないためにも重要です。